GMATに挑戦した僕のやりかた

ビジネススクールを受験するためには社会経験が必要、つまり、GMATを受験する人は社会人である確率がかなり高い。仕事、家庭、付き合い、等、普通の生活をおくるだけでも時間と体力を使います。この中にGMATの勉強を入れるのは正直大変です。

私は今年1.5ヶ月の間GMAT勉強に打ち込み、目標点数だった680点をQuantに頼ることなく取得しました(ヨーロッパのビジネススクールではQuant、Verbalの点数のバランスが良いことが大事、とのことなので。。。)そのときの勉強への取り組みについてちょっと書いてみることにしました。これからGMAT勉強をされる方の参考になれば、と思います。

1. 勉強計画

何事も計画が大事・・・これは誰もがわかっていますよね。でも社会人になるとまとまった勉強をすることはそれほど簡単ではありません。色々な不確定因子を考えた上で計画を立て、失敗なく結果を出したい。

例えば、仕事の忙しさには必ず波があります。忙しくなると時間と体力が奪われます。すると人間は弱いので、なんらかの理由をつけて勉強をさぼろうとします。短期間で成果を出そうとすると、このさぼりの積み重ねによる打撃は大きいです。また、家族の状況にも波があります。妻の機嫌が悪い、子供が風邪をひく、等。これは人間として放っておくことはできませんが、これによって勉強にさける時間が短くなることがあります。これらの因子を考えた上で勉強計画をたてる必要があります。

私が計画をたてる上で重要視したのは、自分を追い込む環境を作り、効率の良い計画をたてることでした。そこで利用したのがKaplanのGMAT On-Siteコースでした(このコースは日本からは受けることはできません。AnywhereやOn-Demandというコースもあり、少なくともOn-Demandは受講可能と思われる)私が受講したOn-Siteコースは、講義形式の授業が合計8回、その他特訓コース的なものが開催され、自由に登録して受講することができます。この手のコースを受けるメリットは4つあります。

(1)ポイントを絞った勉強ができる
授業はKaplanのテキストに沿って行われ、各テストセクションの概要、問題傾向、効率的な解き方を教えてくれます(この授業で使っていたテキストに似ているものは普通に買うことができます)。講師はGMATマスター的な先生なので、ポイントを絞った授業をしてくれます。自分で読み進めるよりもかなり効率が良く、かなりの時間短縮をはかることができます。

(2)(けして安くはない)授業を受けることで自分を追い込む環境を作る
実際に足を運んでKaplanに授業をうけに行きます。仕事が終わった後の夜7時頃から2時間の授業で、体力的にはけっこうキツいですが、とにかく足を運ぶだけで勉強を前に進めることができる、つまり甘えて勉強をさぼるということを防ぐことができます。とにかくその場にいることが大事。また、自分で勉強をするとどうしても難しい問題に立ち向かうには後押しが必要です。初めてReading Comprehensionをやるときにワクワクしながら取りかかる人なんていませんよね。しかし講師がいるとイヤでも前に進めてくれます。結果、「あ、思ったよりは難しくないな」とか「思ったより解ける」と思うことができたことが何度かありました(後からこの問題は簡単な方だったことがわかったのですが)。このように問題にとりかかる敷居を低くしてくれ、講義すべて終わったときにはGMATの問題がどんなものか、コツは何なのかがわかるようになりました。

(3)フォローアップ学習が充実している
授業後、その日学習した内容に関連する問題をオンラインで解くことができます。また、On-SiteコースはOn-Demandコースのビデオ学習も受けることができるので、授業でついていけなかったところ等を中心にビデオで復習することで穴を補うことができます。GMATはCAT、つまりパソコン上で行われるテストなので、画面上で問題を読んで回答することに慣れるのが非常に大切です。Quiz Bankへのアクセスがあり、これらも活用したオンラインでの復習、練習を積極的に行うことが大事です。

(4)模擬テスト
合計9つの模擬テストがついてきます。私は実際にGMATを受験する前に5つの模擬テストを受けました。また、GMATの試験会場でこれらの模擬テストを受けることができる特典があり、活用しました。実際の会場の雰囲気をつかんでおくことは大きなメリットとなります。受付のおばちゃんがどんな人かもわかります。オススメ。

<On-Site>
http://www.kaptest.com/GMAT/GMAT-Prep/Classroom-On-Site/gmat-advantage-on-site.html
<Anywhere>
http://www.kaptest.com/GMAT/GMAT-Prep/Classroom-Anywhere/gmat-advantage-anywhere.html
<授業で使ったテキスト(に近い)>

Kaplan GMAT Premier 2014 with 6 Practice Tests (Kaplan Gmat Premier Live)

 

2. 体力維持

計画通りに勉強を進めるためには、せっかくの時間を無駄にしないことが大事です。仕事に疲れ、子供を寝かせつけ(いつもではありませんが)、自分の時間をとれる時間帯になるとクタクタになることが多いですよね。そこから1時間、2時間でも良いので集中して勉強できると大きな前進になります。朝型の人も、朝4時に起きて勉強をしてもやはり集中して目標に向けて勉強することが大事です。そのためには何よりも体力が必要です。社会人になるとなかなか運動する機会が減るのと、年齢とともに体力が落ちるので、なかなかコンディションを良い状態に保っておくのは大変です。せめてGMATの勉強をしている間だけでも決まった時間に3度の食事をとって、勉強時間を1時間削ってでも週1−2回はジム等で運動・筋トレをすることをおすすめします。かならず結果に現れます。

何事もそうですが、時間はかならず限られていますので、効率が命です。

長期計画で取り組める人であればこれはあてはまらないかもしれませんが、まぁ、GMATは短期間で終わらせたいと思うひとがほとんどでしょう。

3. 教材

Kaplanのコースを受講することでQuiz Bankという問題集にアクセスすることができ、練習問題としては十分な量を手に入れることができます。模擬試験も含めればかなりな量になります。ただ、私の場合、Kaplanの学習だけでは650点が限界でした。やはりVerbalをのばすことは思ったより難しく、苦戦しました。そこで利用した教材を以下に紹介いたします。

(1) The Official Guide for GMAT Review

これはバイブルのようなものですね。Sentence CorrectionとCritical Reasoningを中心に解きまくりました。間違えたところは必ずやりなおし、なぜ間違えたのかを徹底的に検証しました。

(2)Gmat Verbal

Sentence Correctionだけ解きました。

(3)Critial Reasoning 1 (Veritas Prep Gmat)

Kaplanだけではなく違う会社のストラテジーも学んでみようと思い、一通り解きました。けっこう勉強期間後半の方で読みましたが、これを読んでから点数があがってきました。

(4)Sentence Correction 1 (Veritas Prep Gmat)

こちらもVeritas Prepのテキスト。一通り解きました。Sentence Correctionは数をこなせば出題傾向がよくわかるようになるので、とにかく毎日コツコツ問題を解く!

(5)Manhattan GMAT Test Simulation Booklet w/ Marker

これは問題集ではありませんが、試験会場で当日配布されるものと同じラミネートされたノートです。これに慣れないと高得点はとれません。

 

最後になりますが、自分を追い込む環境を作り、効率の良い計画をたて、体調管理(体力維持)を十分に行い、問題をこなす。これにつきると思います。問題をこなす意外にもCATならではの細かなストラテジー等もありますが、これらは問題集に必ず書かれていますので、素直に受け入れて実践してみましょう。

なお、私は、テスト二日前の模擬テストでかなり悪い点数をたたき出し、本番をキャンセルしようかと思うくらいへこみました。そんなときに友達が「まだ2日あるよ、がんばれ」と何気なく書いてくれた言葉に「あ、確かに」と(超単純ですが)思い、立ち直りました。結果、なんとか目標の点数を得ることができました。最初の模擬試験500点前後から目標点数まで持っていけたのは家族をはじめ、周りでサポートしてくれた人たちのおかげです。感謝。いくら忙しくても、辛くても、一番大事な人、そして志を忘れてはいけませんね。